2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧
前回の続き。初回はこちら。 「何ものも意志しないことへの意志」 ドイツ観念論の哲学者F・W・シェリングには『諸世界時代』と呼ばれる草稿群が存在しているのだが、その記述は極めて混乱して錯綜していた。そのため様々な解釈の余地が生じてしまい、一部の…
前回の続き。 現象学的還元と決意 さて、メルロ・ポンティは「現象学的還元」について次のように述べていた。「現象学的還元」とは、私がそのなかで生きている一切の自然的断定を、除去するのではなく停止状態におき、言わば作動せしめない、しかもそれらを…