2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧
深化したポストトゥルース状況の中心が陰謀論(物語レヴェル)ではなくゲーミフィケーション(システムレヴェル)にあると考えると、いま関東一帯で騒がれている「闇バイト」なども「暇ゲート」と同時代的な現象なのだと考える余地が生まれてくるように思う…
前篇からの続き。 Ⅷ 交換と交通の差異 柄谷は、『世界史の構造』では、人間と人間の関係である交換が、人間と自然の関係よりも優位にあり、前者が後者のあり方を一方的に規定すると主張していた。ところが『力と交換様式』では、 M・ヘスの交通概念に着目し…
柄谷行人『力と交換様式』(岩波書店、2022年)読了。以下は気になった点についてのコメント。 Ⅰ『世界史の構造』からの変更点 まず『世界史の構造』(岩波書店、2010年)から明らかに立場を変更したと思われる点について。 〇上部構造/下部構造図式の再導入…