外付脳内そっ閉じメモ

脳内に澱のように溜ったものの単なる置き場デス。そっ閉じ必至。

根本語としての〈居直り〉

一般に左翼理論は、何か特定の抵抗運動や革命運動を分析・評価する際、常にそこへと戻っていくべき出発点というか、もしくは、そこからの偏差で運動の変質や逸脱具合を測るような基準点のようなものとして、或る一つの構えというか態勢を設定している。たとえば<異議申し立て>(ケネス・ケネストン)や<拒絶>(ジョン・ホロウェイ)のように。また、こうして設定された態勢の多くは、基本的に(自分を否定してくるものを否定し返していくという意味で)<否定的なもの>が多かったと言えるだろう。そしてそうであったからこそ、いわゆる「68年の思想」を自認したフランスのポストモダン左翼は、スピノザニーチェ主義を標榜しつつ、従来のように運動の出発点に何か〈否定的なもの〉を置くことに強く反対し、それに対して、自らの存在に固執しながら、今までよりヨリ何かできるようになろうとしている力の横溢や、今とは常に別のあり方を秘めたる生の潜在性の次元を大胆に肯定して解き放っていくような、いわゆる〈ディオニュソス的肯定〉というものをことさらに対置していったのだった。

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